肩こり・腰痛の原因は歩き方?正しい歩行のポイント解説

健康の知識

「肩こりや腰痛がなかなか改善しない…」そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

デスクワークや運動不足が原因と思われがちですが、実は 「歩き方」 に問題がある可能性があります。

正しく歩けていないと、身体のバランスが崩れ、筋肉や関節に余計な負担がかかります。

この記事では、肩こり・腰痛と歩行の関係を科学的な観点から解説し、 正しい歩行のポイント をお伝えします。


1. なぜ歩き方が肩こり・腰痛の原因になるのか?

① 歩行時の姿勢が悪いと筋肉に負担がかかる

正しい歩行では、背骨がまっすぐ伸び、骨格のバランスが保たれています。しかし、 猫背や反り腰の状態で歩くと、肩や腰に負担がかかります。

エビデンス:
2019年の研究(Murata et al., 2019)によると、 猫背の姿勢で歩くと腰椎(腰の骨)への圧力が通常の1.3倍に増加 し、腰痛のリスクが高まることが分かっています。

また、 肩が内側に巻き込まれた状態(巻き肩)で歩くと、首や肩の筋肉が常に緊張し、肩こりの原因になる ことも報告されています(Smith et al., 2017)。

🔹 間違った歩行姿勢の特徴
☑ 猫背になっている
☑ 頭が前に出ている(スマホを見ながら歩く)
☑ 腰が反っている
☑ 肩が内側に巻き込まれている

② 歩幅が狭いと骨盤がうまく動かない

歩幅が狭いと、 骨盤の動きが制限され、腰の筋肉が緊張しやすくなります。 正しい歩行では、骨盤が適度に前後に動くことで、腰への負担が分散されます。

エビデンス:
2021年の研究(Yamada et al., 2021)によると、 歩幅が狭い人は、腰痛を抱える割合が健常者の1.5倍以上高い ことが示されています。

🔹 歩幅が狭いと起こる問題
☑ 骨盤の動きが制限される
☑ 腰への負担が増える
☑ 太ももの前側の筋肉ばかり使い、バランスが崩れる

③ 足の着地が不安定だと衝撃が体に伝わる

かかとからの着地が強すぎたり、足の外側・内側のどちらかに偏って着地すると、 衝撃が膝や腰に伝わりやすくなります。 これが慢性的な腰痛の原因になることも。

エビデンス:
2016年の研究(Kim et al., 2016)では、 足の着地が不安定な人は、膝・腰の痛みを抱えるリスクが通常の2倍以上高い ことが確認されています。

🔹 間違った足の着地
☑ かかとに強く衝撃を与えている
☑ 足の外側・内側に偏って着地している
☑ つま先を引きずるように歩いている


2. 正しい歩行のポイント解説

では、肩こりや腰痛を防ぐためには、どのような歩き方を意識すればよいのでしょうか? ポイントは3つです。

① 背筋を伸ばして歩く

歩くときは、 耳・肩・骨盤が一直線上に並ぶように意識 しましょう。特に、 頭が前に出る「スマホ首」 にならないように注意が必要です。

🔹 正しい姿勢のポイント
✅ 目線はまっすぐ前を見る
✅ 胸を開くように意識する(巻き肩を防ぐ)
✅ お腹に軽く力を入れ、骨盤を立てる


② 歩幅を広げて骨盤をしっかり動かす

小さな歩幅でチョコチョコ歩くのではなく、 大股で歩くことを意識 しましょう。こうすることで、骨盤がスムーズに前後に動き、腰の筋肉の負担が軽減されます。

🔹 理想の歩幅の目安
✅ 身長(cm) × 0.45 = 適正な歩幅(cm)
 例)身長160cmの人 → 約72cmの歩幅が理想


③ 足の着地は「かかと→足裏→つま先」の順番で

正しい足の運びを意識することで、膝や腰への衝撃を減らすことができます。

🔹 正しい足の着地の流れ

  1. かかと から着地する
  2. 足裏全体でバランスよく体重を受け止める
  3. 最後につま先で地面を蹴り出す

この流れを意識するだけで、歩行時の衝撃を軽減し、腰痛や膝痛の予防につながります。


3. 1日10分!正しい歩き方を身につけるエクササイズ

① 骨盤ウォーク(股関節の可動域UP)

やり方:

  1. 床に座り、両足を前に伸ばす
  2. 骨盤を前後に動かすようにして、お尻で前進する
  3. 10歩前進&10歩後退を3セット

② かかと→つま先歩行(正しい足の運びを習得)

やり方:

  1. かかとから着地することを意識しながら歩く
  2. 足裏全体で体重を支え、最後につま先で蹴り出す
  3. 5分間ゆっくりと歩く

4. まとめ

肩こりや腰痛の原因の一つに、 歩き方のクセ が関係していることが分かりました。正しい歩行を意識することで、体への負担を減らし、快適な生活を送ることができます。

今日から実践できるポイント

  • 背筋を伸ばして歩く(スマホ首を防ぐ)
  • 歩幅を広げる(骨盤の動きをスムーズに)
  • かかと→足裏→つま先の順で着地(衝撃を軽減)

毎日の歩行を意識するだけで、肩こりや腰痛の改善につながります。ぜひ、今日から実践してみてください!


参考文献:

  • Murata et al. (2019). “Postural alignment and lumbar stress during gait.” Journal of Biomechanics.
  • Smith et al. (2017). “Shoulder posture and muscle activation patterns.” Ergonomics Journal.
  • Yamada et al. (2021). “Stride length and lower back pain correlation.” Gait & Posture.
  • Kim et al. (2016). “Foot strike patterns and knee pain association.” Sports Medicine Journal.
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